ネズミが媒介する病気は?病原菌と危険性を知って感染を防ごう
ネズミは単なる害獣ではなく、多くの病原体を保有する危険な生物でもあります。
不衛生な環境で生活するネズミは、さまざまな病原菌やウイルス、寄生虫を媒介し、人間の健康に深刻な被害をもたらすことがあるでしょう。
本記事では、ネズミが媒介する主な病気とその感染経路、予防法について詳しく解説します。
ネズミによる健康被害から身を守るために、正しい知識を身につけましょう。
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ネズミが持つ菌や病原体とは?

ネズミは下水道やゴミ捨て場など不衛生な場所を移動するため、体表や体内にさまざまな病原体を保有しています。
特に日本で見られるドブネズミやクマネズミは、複数の危険な病原体を持っていることがわかっています。
これらの病原体は、ネズミの体表、口腔内、排泄物など様々な部位に存在し、人間に感染する可能性があるため注意が必要です。
ネズミ体表に付着する菌・ウイルス
ネズミの体表には、不衛生な場所を移動する際に付着した様々な菌やウイルスが存在します。
特に下水道や汚水を通過したネズミの体毛には、病原菌が高い確率で付着しているでしょう。
たとえば、皮膚糸状菌症の原因となる真菌は、ネズミの体表から人間に感染することがあります。
また、体表にはイエダニやノミなどの寄生虫が存在し、これらが別の病気を媒介することも少なくありません。
ネズミに直接触れることはもちろん、ネズミが通った場所や物に触れるだけでも感染リスクがあることを覚えておいてください。
ネズミの口腔内に潜む病原体
ネズミの口腔内や喉には、危険な細菌が常在しています。
特に「モニリホルムレンサ桿菌」と「鼠咬症スピリルム」という2種類の病原体が存在し、これらが鼠咬症の原因となるのです。
日本ではドブネズミの3〜25%がこれらの菌を保有しているとの報告があります。
これらの菌はネズミに噛まれることで傷口から侵入し、場合によっては重篤な症状を引き起こすことがあるでしょう。
特に子どもや高齢者、免疫力の低下した人がネズミに噛まれた場合は、速やかに医療機関を受診することが重要です。
ネズミの排泄物に潜む危険な菌とは
ネズミの糞尿には多くの危険な病原体が含まれています。
特にサルモネラ菌、E型肝炎ウイルス、レプトスピラ菌などが代表的な病原体といえるでしょう。
サルモネラ菌は食中毒の原因となり、E型肝炎ウイルスは肝臓の機能低下を引き起こします。
また、レプトスピラ菌は水や土壌を介して人間に感染し、重症化すると黄疸や腎不全を引き起こす危険があるのです。
2003年の調査では、東京都内で捕獲されたドブネズミの22%から重症型のワイル病を引き起こすレプトスピラ菌が検出されました。
特に注意すべき「空気中に漂う病原体」
ネズミの排泄物や死骸が乾燥すると、含まれる病原体が粉塵とともに空気中に舞い上がることがあります。
これらを吸入することで、空気感染が起こる可能性があるのです。
特にハンタウイルスは、感染したネズミの糞尿が乾燥して粉末状になったものを吸い込むことで感染します。
米国ではハンタウイルス肺症候群の症例が報告されており、致死率が約40%と非常に高いことが知られています。
ネズミの糞や死骸を見つけた場合は、掃除機で吸い取るのではなく、湿らせてから慎重に処理することが重要でしょう。
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ネズミによる感染症の感染経路【空気感染・接触感染・咬傷感染】

ネズミが媒介する病気の感染経路は大きく分けて3つあります。
ネズミに噛まれたり引っかかれたりすることで感染する「咬傷感染」、糞尿などに触れることで感染する「接触感染」、そして乾燥した糞尿の粉塵を吸い込むことによる「空気感染」です。
さらに、ネズミに寄生するノミやダニが媒介する間接的な感染もあります。
それぞれの感染経路について詳しく見ていきましょう。
ネズミに噛まれることによる感染(咬傷感染)
ネズミに噛まれることによる感染は「咬傷感染」と呼ばれ、最も直接的な感染経路です。
ネズミの口腔内に生息する細菌が傷口から体内に侵入し、鼠咬症などを引き起こします。
鼠咬症の症状は、発熱や頭痛、関節痛などが特徴的であり、放置すると重症化する恐れがあるのです。
また、ネズミに複数回噛まれると、アナフィラキシーショックを起こす可能性も報告されています。
ネズミに噛まれた場合は、傷口をすぐに石鹸と水で洗い流し、医療機関を受診することが重要でしょう。
ネズミの糞尿・体液に触れることでの感染(接触感染)
ネズミの糞尿や体液に直接触れることで感染するのが「接触感染」です。
この感染経路ではサルモネラ症、E型肝炎、レプトスピラ症などの病気にかかるリスクがあります。
特に傷や粘膜を通して病原体が体内に入り込みやすいため、素手でネズミの排泄物を処理することは避けるべきでしょう。
レプトスピラ症は、ネズミの尿で汚染された水や土壌に素足や素手で触れることでも感染します。
- 必ずゴム手袋を着用する
- 作業後は手をよく洗う
- 傷がある場合は特に注意する
死骸・糞尿が乾燥し空気中に舞うことでの感染(空気感染)
ネズミの糞尿や死骸が乾燥すると、含まれる病原体が粉塵とともに空気中に舞い上がり、それを吸い込むことで感染することがあります。
これが「空気感染」の経路です。
特にハンタウイルスはこの経路での感染が多く、感染すると腎症候性出血熱やハンタウイルス肺症候群を引き起こすリスクがあるのです。
- 掃除機の使用を避ける
- 湿らせてから処理する
- マスクやゴーグルを着用する
ノミやダニなど寄生虫を介した間接的感染
ネズミの体には多くの外部寄生虫が付着しており、これらを介して間接的に感染する経路もあります。
代表的なものがイエダニやノミによる感染です。
イエダニはネズミに寄生していますが、ネズミがいなくなると人間を吸血し、激しいかゆみや皮膚炎を引き起こします。
また、ツツガムシ病はネズミに寄生するダニの一種であるツツガムシによって媒介されるのです。
ネズミを駆除した後も、残ったダニやノミに対する対策が必要なことを覚えておきましょう。
どの感染経路が一番リスクが高いのか?
感染経路のリスクは、病原体の種類や環境条件によって異なります。
一般的には直接接触である「咬傷感染」が最もリスクが高いと考えられますが、実際に発生頻度が高いのは「接触感染」であることが多いでしょう。
これは、ネズミに噛まれる機会よりも、糞尿に触れる機会の方が多いためです。
「空気感染」は発生頻度は低いものの、一度感染すると重症化しやすい傾向があります。感染リスクを最小限に抑えるためには、すべての感染経路に対して適切な予防策を講じることが重要です。
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具体的に注意すべきネズミ感染症と症状

ネズミが媒介する病気は多岐にわたり、それぞれ特徴的な症状を示します。
中には命に関わる重篤な症状を引き起こすものもあるため、早期発見と適切な治療が重要です。
特に日本国内で発生リスクの高い感染症について、その症状や治療法を詳しく解説します。
ネズミと接触した後に体調不良を感じたら、これらの症状に注意し、早めに医療機関を受診しましょう。
鼠咬症(そこうしょう):噛み傷から侵入する細菌
鼠咬症はネズミに噛まれることで感染する代表的な疾患です。
「スピリルム型」と「レンサ桿菌型」の2種類があり、日本ではスピリルム型が多いとされています。
感染すると、噛まれた部位はいったん治りますが、数日から数週間後に発熱、頭痛、吐き気などの症状が現れるでしょう。
さらに症状が進行すると、噛まれた部位が再び腫れたり、リンパ節の腫れや関節痛が起こることもあります。
鼠咬症を発症して治療しなかった場合、約10%が死亡するという報告もあるため、早期発見・早期治療が非常に重要といえるでしょう。
レプトスピラ症:湿った場所で感染するリスク
レプトスピラ症はレプトスピラ菌によって引き起こされる急性熱性疾患です。
主にネズミの尿で汚染された水や土壌に触れることで感染します。
感染すると、悪寒、高熱、頭痛、筋肉痛などの症状が現れ、重症化すると黄疸、出血、腎障害などを引き起こすことがあるのです。
特に重症型は「ワイル病」と呼ばれ、適切な治療を受けなければ死に至るケースもあります。
かつては稲作などの農作業中に感染するケースが多く「秋疫(あきやみ)」として恐れられていましたが、現在では水遊びやレジャーでの感染が報告されていることに注意しましょう。
サルモネラ症:食中毒と重症化リスク
サルモネラ症はネズミの排泄物に含まれるサルモネラ菌によって引き起こされる感染症です。
感染経路は主に食品を介した経口感染で、汚染された食品を摂取することで発症します。
主な症状は急な発熱、腹痛、嘔吐、下痢などの急性胃腸炎症状で、通常は1週間程度で回復するでしょう。
しかし、幼児や高齢者、免疫力の低下した人では重症化しやすく、髄膜炎などの合併症を引き起こす危険もあります。
東京都の調査ではドブネズミの10%、クマネズミの1.5%からサルモネラ菌が検出されており、ネズミが生息する場所での食品管理には特に注意が必要なのです。
ハンタウイルス感染症:腎障害・肺症候群を引き起こす
ハンタウイルス感染症は、ネズミが保有するハンタウイルスによって引き起こされる疾患です。
感染したネズミの排泄物が乾燥して粉末状になったものを吸い込むことで感染します。
日本では「腎症候性出血熱」として知られ、突然の発熱、頭痛、腹痛、出血傾向、腎機能障害などの症状が特徴的といえるでしょう。
アメリカでは「ハンタウイルス肺症候群」が報告されており、急速に進行する呼吸困難を引き起こし、死亡率は約40%にも達します。
E型肝炎:汚染された食材から感染
E型肝炎はE型肝炎ウイルス(HEV)によって引き起こされるウイルス性肝炎の一種です。
ネズミの排泄物で汚染された水や食品を介して感染します。
感染すると、発熱、倦怠感、食欲不振、吐き気、腹痛などの症状が現れ、その後黄疸を発症することがあるでしょう。
通常は1〜6週間で自然回復しますが、重症化すると回復に数ヶ月かかることもあります。
特に妊婦は重症化しやすく、致死率が20%に達するという報告もあるため特に注意が必要です。
広東住血線虫症:脳に到達する恐ろしい寄生虫感染
広東住血線虫症は、ネズミを終宿主とする寄生虫である広東住血線虫によって引き起こされる感染症です。
成虫はネズミの肺動脈に寄生し、幼虫はネズミの糞中に排出されます。
これらの幼虫はカタツムリやナメクジなどの中間宿主に取り込まれ、その後汚染された野菜や水を介して人間に感染するのです。
人間の体内では、幼虫が血流にのって脳に達し、好酸球性髄膜炎を引き起こします。東京都内の調査では、捕獲されたネズミから高率で広東住血線虫の成虫が検出されています。
ツツガムシ病:ダニによる高熱疾患
ツツガムシ病はネズミに寄生するダニの一種であるツツガムシによって媒介される感染症です。
ツツガムシの幼虫に刺されることで、リケッチアと呼ばれる細菌に感染します。
感染後5〜14日の潜伏期間を経て、突然の高熱(38〜40℃)、全身のだるさ、頭痛、悪寒などの症状が現れるでしょう。
特徴的な症状として、刺し口と呼ばれる皮膚の黒いかさぶたと、全身に広がる赤い発疹があります。
重症化すると肺炎や脳炎を引き起こすこともありますが、テトラサイクリン系抗生物質による治療で回復します。日本では北海道を除く全国で発生しており、特に春から初夏、晩秋に発生が多いことが知られています。
ペスト:かつて世界中を脅かした致死性感染症
ペストはネズミのノミによって媒介される感染症で、歴史的に「黒死病」として恐れられてきました。
ペスト菌に感染したノミに刺されることで感染し、リンパ節が腫れる「腺ペスト」、肺に感染する「肺ペスト」などの型があります。
症状としては高熱、頭痛、倦怠感、リンパ節の腫れなどが特徴的で、適切な治療を受けなければ致死率が非常に高いのです。
日本では1926年以降、患者の発生は報告されていませんが、世界各地では現在も年間1000〜3000人の患者が発生しています。過去には日本でも流行し、1899年から27年間で患者2,905名、死者2,420名を出した記録があります。
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ネズミからの感染で喉が腐る?重症化リスクについて

ネズミが媒介する感染症の中には、重症化すると壊死性の症状を引き起こすものがあります。
特に鼠咬症は、適切な治療が行われないと、噛まれた部位を中心に組織の壊死が進行することがあるのです。
さらに、感染が全身に広がると、心内膜炎や髄膜炎などの重篤な合併症を引き起こすリスクもあります。
これらの重症化リスクについて詳しく見ていきましょう。
鼠咬症と壊死性症状の関連性
鼠咬症は適切な治療が行われないと、噛まれた部位を中心に壊死性の症状が現れることがあります。
特にレンサ桿菌型の鼠咬症では、噛み傷が再び腫れ上がり、潰瘍のようになることも報告されています。
さらに感染が進行すると、壊死性筋膜炎や壊死性咽頭炎など、組織が壊死する重篤な症状を引き起こす可能性があるのです。
いわゆる「喉が腐る」という表現は、この壊死性咽頭炎を指していると考えられます。
このような重症例は稀ですが、免疫力の低下した人や高齢者では発症リスクが高まることに注意が必要でしょう。
放置するとどうなる?治療の遅れが命取りに
ネズミ由来の感染症は、初期症状が風邪に似ていることが多く、見逃されやすい傾向があります。
しかし、適切な診断と治療が遅れると、重症化して命に関わる事態に発展することがあるのです。
たとえば鼠咬症は、抗生物質による早期治療で完治する可能性が高いですが、治療が遅れると心内膜炎や髄膜炎を合併し、死亡リスクが高まります。
ネズミとの接触歴がある場合は、軽微な症状であっても医師にその旨を伝え、適切な検査を受けることが重要です。
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ネズミしかかからない病気もある?知っておきたい豆知識

ネズミの世界にも、人間には感染しないネズミ特有の病気が存在します。
しかし、そのような病気でもペットや実験動物、畜産動物を通じて間接的に人間に影響を及ぼすことがあるのです。
また、研究施設では実験用ネズミからの感染症が問題となることもあります。
ネズミの病気に関する興味深い知識について見ていきましょう。
ネズミ特有の感染症とは何か?
ネズミ特有の感染症には、マウスパルボウイルス感染症やティザー病などがあります。
これらの病気は基本的に人間には感染しませんが、実験動物のネズミの健康に影響を与え、研究結果を左右することがあるのです。
また、マウス肝炎ウイルスやセンダイウイルスなどもネズミ特有のウイルスとして知られています。
これらの病気は実験動物の品質管理において重要な指標となっており、SPF(特定病原体フリー)動物の生産には厳格な検査が行われているのです。ペットとして飼育されているハムスターやマウスも、これらの病気に感染する可能性があります。
人間には感染しないが注意が必要なケース
ネズミ特有の病気の中には、直接人間に感染はしないものの、間接的に人間の健康や経済活動に影響を与えるものがあります。
例えば、ネズミの繁殖率や死亡率に影響を与える病気は、ネズミの個体数変動を通じて農作物被害や都市部のネズミ問題に関わってくるでしょう。
また、ネズミからペットの犬や猫に感染する病気もあり、間接的に人間の生活に影響します。
- レプトスピラ症は犬にも感染する
- 家畜に感染する病気もある
- 畜産業に経済的被害をもたらすことがある
研究現場で問題となる「ネズミ由来感染症」
研究施設では、実験用ネズミからの感染症が問題となることがあります。
1970〜80年代にかけて、関西地方の大学を中心に実験用ラットからのハンタウイルス感染症(腎症候性出血熱)の流行があり、126名の患者と1名の死者が出ました。
また、1993年には京都大学で実験用ラットの感染が問題になっています。
研究者やスタッフは、動物の取り扱いに関する十分な訓練と知識を持ち、適切な防護具を使用することが必要なのです。
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ネズミアレルギーや二次感染の危険性

ネズミは直接的な感染症だけでなく、アレルギー反応や二次感染の原因にもなります。
特に、ネズミのふんや尿、皮膚の破片などに含まれるアレルゲンは、喘息やアレルギー性鼻炎などの呼吸器症状を引き起こすことがあるのです。
また、ネズミに寄生するダニやノミは人にも寄生し、様々な皮膚トラブルを引き起こします。
これらの二次的な健康被害についても理解しておきましょう。
ネズミ由来アレルゲンによる呼吸器疾患
ネズミのふん、尿、唾液、皮膚の破片(フケ)などには強力なアレルゲンが含まれています。
これらのアレルゲンを吸い込むことで、喘息やアレルギー性鼻炎などの呼吸器症状が引き起こされることがあるのです。
特に「Rat n 1」「Mus m 1」と呼ばれるタンパク質は主要なアレルゲンとして知られており、極めて微量でもアレルギー反応を引き起こす可能性があります。
ネズミが頻繁に出入りする環境では、目に見えない微粒子として空気中に漂い、知らず知らずのうちに吸い込んでいることもあるでしょう。
ネズミアレルギーの症状としては、くしゃみ、鼻水、目のかゆみなどの軽症から、喘息発作のような重症まで様々です。特に小児や高齢者、既存の呼吸器疾患を持つ人はより重篤な症状を示すことがあるため注意が必要でしょう。
ネズミに寄生するイエダニ・ノミによる健康被害
ネズミの体には多くの外部寄生虫が寄生しており、その代表的なものがイエダニとネズミノミです。
イエダニはネズミに寄生して吸血しますが、ネズミがいなくなると人間を吸血するようになります。
イエダニに刺されると激しいかゆみと発疹が生じ、かき壊すことで二次感染を起こすリスクもあるのです。
東京都の調査によれば、イエダニの被害相談は年々増加傾向にあり、ネズミの生息数と相関関係にあることが分かっています。ネズミを駆除した後も、残されたダニやノミが人間を吸血するために移動してくるため、寄生虫対策も同時に行うことが重要でしょう。
ねずみのふん・死骸から発生するアレルギーリスク
ネズミのふんや死骸からも、アレルギー反応を引き起こすリスクがあります。
特に死骸が腐敗する過程で発生するガスや細菌は、アレルギー症状だけでなく、悪臭や体調不良の原因にもなるでしょう。
ネズミのふんには多くの病原菌に加え、アレルゲンも含まれており、乾燥して粉じん化したものを吸入することでアレルギー反応が生じることがあります。
特に子どもや既往症のある方は症状が重くなりやすいため、ネズミのふんや死骸を発見した場合は、素早く適切に処理することが重要といえるでしょう。
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ネズミの死骸や糞尿がもたらす空気感染リスク

ネズミの死骸や糞尿は、単なる不快な存在以上の健康リスクをもたらします。
これらが乾燥して粉じん化すると、含まれる病原体やアレルゲンが空気中に舞い上がり、吸入することで感染やアレルギー反応を引き起こす可能性があるのです。
また、腐敗過程では有害なガスや細菌が発生し、室内の空気を汚染します。
これらの空気感染リスクについて詳しく見ていきましょう。
死骸の腐敗により発生する細菌・ウイルス
ネズミの死骸が腐敗すると、様々な細菌やウイルスが増殖し、周囲に拡散します。
腐敗過程ではアンモニアや硫化水素などの有害ガスも発生し、頭痛やめまい、吐き気といった症状を引き起こすことがあるでしょう。
特に密閉された空間や通気の悪い場所では、これらの有害物質が高濃度に蓄積するリスクがあります。
- マスクや手袋などの防護具を着用する
- できるだけ早く適切に処理する
- 処理後は必ず周囲の消毒を行う
- しばらくの間は換気を十分に行う
乾燥した糞が舞い上がる空気感染メカニズム
ネズミの糞は乾燥すると非常に軽くなり、わずかな気流でも粉じんとなって空気中に舞い上がります。
この粉じんには病原体やアレルゲンが含まれており、それを吸入することで感染症やアレルギー反応を引き起こすリスクがあるのです。
特にハンタウイルスは乾燥した糞尿の粉じんを介した感染が主な経路とされており、掃除の際には細心の注意が必要でしょう。
- 掃除機の使用を避ける
- 糞を湿らせてから拭き取る
- マスクやゴーグルを着用する
- 作業後はよく手を洗う
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ネズミ被害の実態【経済的・精神的被害も】

ネズミによる被害は健康面だけにとどまらず、経済的・精神的な面にも及びます。
店舗や施設ではネズミによる食品汚染や器物損壊が経済的損失をもたらすだけでなく、社会的信用の失墜にもつながるのです。
また、家庭ではネズミの存在による精神的ストレスが家族の健康に影響を与えることがあります。
さらに、ネズミが電線をかじることによる火災や停電など、都市機能に影響を与える被害も報告されています。
飲食店・施設に与える経済的損失
飲食店や食品関連施設におけるネズミの存在は、深刻な経済的損失をもたらします。
最も直接的なのは食品や商品の汚損被害で、ネズミにかじられた商品は廃棄処分となるため大きな損失となるでしょう。
さらに、ネズミの死骸や体毛、排泄物が食品に混入する「異物混入事故」は、商品回収や営業停止などの措置につながることがあります。
東京都のアンケート調査では、飲食店でネズミを目撃した利用者の約36%が「その店に二度と行かなかった」と回答しており、消費者離れによる長期的な経済損失も深刻です。
家庭における精神的ストレスと健康被害
家庭にネズミが侵入すると、精神的なストレスや不安感をもたらし、生活の質を著しく低下させることがあります。
特に夜間のネズミの活動音は睡眠を妨害し、慢性的な睡眠不足や体力低下につながるでしょう。
東京都が高齢者宅を対象に行った調査では、ネズミ被害を受けた人の中に「夜に眠れないことで体力が低下し持病が悪化した」などの声が多く見られました。
高齢者の場合は「夜に眠れないことで日中に寝てしまい、食事や服薬、デイケアなどのケア体制がうまく遂行できない」という問題も報告されています。ネズミ被害は物理的な損害だけでなく、このような精神的・健康的な被害をもたらすことを認識し、早期の対策が重要といえるでしょう。
ネズミ被害がもたらす都市機能の停止(停電・火災)
ネズミは電線やガス管をかじる習性があり、これが原因で停電や火災、ガス漏れなどの重大事故を引き起こすことがあります。
関東電気保安協会の調査によれば、小動物による電気設備のトラブルの約6割がネズミによるものとされています。
ビルの受変電設備に侵入したネズミが感電し、短絡事故を起こして停電させるケースが典型的で、周辺地域にまで影響が及ぶこともあるのです。
東京消防庁の統計では、毎年約12件のネズミに起因する火災が発生しており、その損害額は年間約5,000万円に上るとされています。このようなネズミによる都市機能への被害は、単なる不快害虫問題を超えた社会的リスクとして認識すべきでしょう。
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ネズミによる病気を防ぐための対策と駆除方法

ネズミが媒介する病気から身を守るためには、適切な対策と駆除方法が不可欠です。
自力での駆除には限界とリスクがある一方で、専門業者による駆除には多くのメリットがあります。
また、駆除後の消毒・除菌作業や、ネズミの再侵入を防ぐための対策も重要です。
これらの対策について、具体的な方法を見ていきましょう。
自力駆除のリスクと限界
ネズミの自力駆除には、健康面でのリスクと効果の限界があります。
最大のリスクは、駆除作業中にネズミの病原体に感染する可能性があることです。
ネズミに直接触れたり、排泄物を素手で処理したりすることで、様々な感染症にかかるリスクがあるでしょう。
また、ネズミは繁殖力が非常に高く、完全に駆除しきれないと短期間で元の数に戻ってしまいます。
ペットや小さな子どもがいる家庭では、毒餌や粘着シートなどの駆除剤による二次被害のリスクもあることを念頭に置いておきましょう。
プロ駆除業者に依頼するメリット
ネズミ駆除を専門業者に依頼することには、多くのメリットがあります。
まず、専門業者はネズミの習性や行動パターンを熟知しており、効率的かつ効果的な駆除方法を提案できます。
また、適切な防護具や専用の機材を使用するため、感染症のリスクを最小限に抑えられるのです。
さらに、単に目に見えるネズミを駆除するだけでなく、巣の特定や侵入経路の発見、再発防止策の提案まで総合的なサービスを提供する業者が多いでしょう。
- 専門的な知識と技術による効率的な駆除
- 感染症リスクの最小化
- 死骸や排泄物の適切な処理
- 再発防止策の提案とアフターフォロー
駆除後に必ず行うべき消毒・除菌作業
ネズミを駆除した後は、必ず徹底的な消毒・除菌作業を行う必要があります。
ネズミが活動していた場所には、病原体を含む排泄物や体毛、唾液などが残されているためです。
特に台所やダイニングなど食品を扱う場所の消毒は重要で、食中毒などの二次被害を防ぐためにも徹底して行いましょう。
また、ネズミの死骸が発見された場所も重点的に消毒する必要があります。
消毒に必要な用品と作業ポイント
効果的な消毒・除菌作業には、適切な用品と正しい方法が欠かせません。
必要な用品としては、使い捨てのゴム手袋、マスク、ゴーグル、消毒液(次亜塩素酸ナトリウム溶液やエタノール)、ペーパータオル、密閉できるビニール袋などが挙げられます。
- 防護具を正しく着用する
- 乾燥した排泄物は水で湿らせてから処理する
- 消毒液は正確な濃度に調整する
- 消毒後は十分に換気する
- 使用した防護具はすべて密閉して廃棄する
- 作業後は石鹸と水で手をよく洗う
侵入経路を徹底遮断する方法
ネズミの再侵入を防ぐためには、侵入経路を特定し、徹底的に遮断することが重要です。
ネズミは体が柔らかく、わずか1センチほどの隙間でも侵入できるため、家屋の外周を細かくチェックする必要があります。
主な侵入経路としては、外壁のひび割れや隙間、配管や電線の貫通部、換気口、ドアの下部の隙間などが挙げられるでしょう。
- スチールウールや金属メッシュで隙間を塞ぐ
- 樹木の枝を剪定し屋根からの侵入を防ぐ
- ゴミや食品は密閉容器に保管する
- 定期的な点検を行う
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ネズミの病気に関するよくある質問(FAQ)

ネズミが媒介する病気や対策について、多くの方が疑問や不安を持っています。
ここでは、よく寄せられる質問とその回答をまとめました。
ネズミに噛まれた場合の対処法、死骸の安全な処理方法、糞を見つけた際の対応、ペットへの感染リスクなど、具体的な疑問に答えていきます。
実用的な情報として参考にしてください。
ネズミに噛まれたとき病院へ行くべき?
ネズミに噛まれた場合は、必ず医療機関を受診することをお勧めします。
ネズミの口腔内には鼠咬症の原因となる細菌が存在しており、適切な治療を受けないと重症化するリスクがあるためです。
まず応急処置として、傷口を石鹸と水で十分に洗い流しましょう。
- 傷口を石鹸と水で洗い流す
- 可能であれば消毒液で消毒する
- 清潔なガーゼで保護する
- いつ、どのような状況で噛まれたかを医師に伝える
- 噛まれた後も体調の変化に注意する
ネズミの死骸はどうやって処理すればいい?
ネズミの死骸を処理する際は、感染症のリスクを最小限に抑えるための注意が必要です。
まず、使い捨てのゴム手袋とマスク、可能であればゴーグルなどの防護具を着用しましょう。
死骸は直接手で触れず、ビニール袋を裏返して手袋のように使い、死骸を包み込むようにして回収するのが安全です。
- 使い捨てのゴム手袋・マスク・ゴーグルを着用
- ビニール袋を裏返して死骸を回収
- 別のビニール袋に入れてしっかりと密閉
- 死骸があった場所を消毒する
- 30分程度換気を行う
- 使用した手袋やマスクも密閉して廃棄
ネズミのフンを見つけたらまず何をすべき?
ネズミのフンを見つけた場合、まず慌てずに適切な処理を行いましょう。
フンには多くの病原体が含まれている可能性があるため、素手で触れないことが最も重要です。
処理の手順としては、まずゴム手袋とマスクを着用し、フンを直接掃除機で吸い取ることは避けてください。
- ゴム手袋とマスクを着用する
- 消毒スプレーや水で湿らせる
- ペーパータオルで拭き取る
- ビニール袋に密閉して廃棄する
- 周辺を消毒液で拭き取る
- 専門業者による調査や駆除を検討する
ペットへの感染リスクは?どのように守る?
ネズミが媒介する病気は、犬や猫などのペットにも感染するリスクがあります。
特にレプトスピラ症は犬にも感染し、重症化すると肝不全や腎不全を引き起こし、死亡することもある恐ろしい病気です。
また、サルモネラ症や広東住血線虫症なども、ペットへの感染が報告されています。
- ネズミの侵入を防ぐ環境整備
- ペットフードは密閉容器に保管
- 食べ残しはすぐに片付ける
- 犬はレプトスピラ症のワクチン接種を検討
- ペットがネズミを捕まえたらすぐに止めさせる
- 異常があれば獣医師に相談する
ネズミ被害でお困りですか?
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まとめ
本記事では、ネズミが媒介する病気とその危険性、予防法について詳しく解説してきました。
ネズミは単なる不快害虫ではなく、鼠咬症やレプトスピラ症、サルモネラ症など多くの危険な感染症を媒介する存在です。
これらの病気は適切な治療が遅れると命にかかわるケースもあるため、ネズミとの接触後に体調不良を感じたら早めに医療機関を受診しましょう。
また、ネズミの駆除や死骸・排泄物の処理は感染リスクを伴うため、可能な限り専門業者に依頼することをお勧めします。
ネズミによる被害は健康面だけでなく、経済的・精神的にも大きな影響をもたらします。
ネズミの侵入を防ぐ環境整備と早期発見・早期対策が、健康を守るための最も効果的な方法といえるでしょう。
正しい知識と適切な対策で、ネズミが媒介する病気のリスクから身を守りましょう。
放置していませんか?
天井裏の足音、かじる音、悪臭…その悩み、プロが解決します
ネズミは夜行性で繁殖力が非常に高く、放置すると被害が急速に拡大します。騒音や悪臭による精神的ストレスだけでなく、感染症の媒介、電気配線をかじることによる火災リスク、建材の破損など、健康面・経済面での深刻な被害をもたらします。「おうちのミカタ」では、現地調査から駆除、侵入口の封鎖、清掃消毒、そして再発防止策まで、一貫したサービスをご提供しています。
おうちのミカタのネズミ駆除
まずは調査にてお住まいの状況を確認させてください。専門スタッフが丁寧にご対応いたします。