コウモリが媒介する菌・ウイルスとは?感染ルートや予防策を解説!

コウモリ

2025.11.17

コウモリは野生動物の中でも特に多くの病原菌やウイルスを保有していることで知られています。

世界的に見ても、コウモリを自然宿主とする感染症は数多く報告されており、日本国内でも無視できないリスクが存在します。

本記事では、コウモリが保有する主要な病原菌と感染症について、その感染経路から効果的な予防策まで詳しく解説していきます。

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コウモリはなぜ危険なのか?病気・感染症のリスク

コウモリは人獣共通感染症の重要な感染源として、世界中の研究者から注目されています。

SARS、MERS、エボラ出血熱など、近年世界的に流行した深刻な感染症の多くがコウモリに由来することが科学的に証明されました。

しかし、なぜコウモリは他の動物と比較して、これほど多くの病原体を保有しているのか疑問に思う方も多いことでしょう。

日本国内においても、野生のコウモリは私たちの生活圏に存在しており、適切な知識なしに接触すれば感染リスクは決してゼロではありません。

以下では、コウモリが「ウイルスの貯水池」と呼ばれる理由から、現代社会特有の感染リスクまで、詳しく解説していきます。

「ウイルスの貯水池」としてのコウモリ

コウモリが「ウイルスの貯水池」と呼ばれる背景には、その驚くべき生物学的特性があります。

哺乳類全体の約20%を占めるコウモリは、900種以上という圧倒的な種の多様性を誇り、この多様性がウイルスの進化と適応に理想的な環境を提供しています。

コウモリは哺乳類の進化系統において比較的原始的な位置にあり、多くの哺乳類に共通する遺伝的特質の原型を保持しています。このため、コウモリで保存されてきたウイルスが変異した場合、他の哺乳類への感染力を獲得しやすいという特徴を持っています。

実際にSARSコロナウイルスは、キクガシラコウモリやコキクガシラコウモリなどから検出されており、これらのウイルスが種の壁を越えてヒトに感染したことが研究により明らかになっています。

このような複数の要因が組み合わさることで、コウモリは文字通り「ウイルスの貯水池」としての役割を果たしているといえるでしょう。

なぜコウモリはウイルスを保有しても発症しないのか?

コウモリの最も興味深い特徴は、多くのウイルスを体内に保有しながら、自身は病気を発症しないという驚異的な免疫システムを持っていることです。

最新の研究によると、コウモリの抗ウイルス応答メカニズムは、ヒトのそれとは根本的に異なっていることが判明しています。

エジプトルーセットオオコウモリは、インターフェロン遺伝子をはじめとする抗ウイルス応答関連遺伝子を、ヒトよりもはるかに多く保有していることが確認されています。クロオオコウモリでは、ウイルスに感染していない状態でも、インターフェロンα遺伝子ファミリーが常に活性化した状態を保っています。

加えて、エジプトルーセットオオコウモリでは、ウイルス感染時においても炎症応答に関連する一部の遺伝子の発現が抑制されるという、独特な免疫応答が確認されています。

このような特殊な免疫システムにより、コウモリはウイルスと共生し、自らを守りながら「ウイルスの運び屋」としての役割を担うことが可能になっているといえます。

感染拡大の原因は?群れでの生活・飛行能力・長寿…など

コウモリがウイルスの効率的な媒介者となる理由は、その独特な生態的特性にも深く関係しています。

多くのコウモリ種は洞窟や木の洞といった閉鎖的で湿度の高い環境に、数千から数万という大規模な集団を形成して生活しています。

このような高密度な集団生活は、ウイルスが個体間で容易に伝播する理想的な環境を作り出しており、ウイルスの維持と進化を促進する要因となっています。

  • コウモリは哺乳類で唯一の飛行能力を持ち、種によっては一晩で数十キロメートルもの距離を移動可能
  • 体サイズに比して非常に長寿で、30年以上生きる種も存在
  • エコーロケーション(反響定位)時に飛び散る唾液がウイルスの感染経路となる可能性

コウモリはなぜ人の生活圏に?

現代社会において、コウモリによる感染症リスクが高まっている背景には、環境破壊による生息地の減少という深刻な問題があります。

森林伐採や都市開発により、コウモリの自然な生息地が失われ、彼らは生き残りをかけて人間の生活圏に進出せざるを得なくなっています。

日本国内でも、都市部の建物の隙間や屋根裏にコウモリが住み着く事例が増加しており、特にアブラコウモリ(イエコウモリ)は住宅地での目撃例が頻繁に報告されています。

地球温暖化により、これまで寒冷地には生息していなかったコウモリが北上し、新たな地域でヒトとの接触機会が増えています。都市部のヒートアイランド現象により、コウモリにとって越冬しやすい環境が形成され、年間を通じてヒトの生活圏に留まるケースも増加しています。

感染症リスクは日本国内でもあるのか?

日本国内におけるコウモリ由来の感染症リスクは、海外と比較すると相対的に低いものの、決して無視できるレベルではありません

幸いなことに、エボラ出血熱やニパウイルス感染症など、海外で報告されている重篤な感染症の国内発生例は現在のところ確認されていません。

しかし、日本のコウモリからもSARSウイルスに近縁のウイルスが検出されており、潜在的なリスクは存在しています。

  • 狂犬病:1957年以降国内発生なしだが、海外感染例は存在
  • マダニ媒介の重症熱性血小板減少症候群(SFTS):国内死亡例あり
  • ヒストプラズマ症:最近国内感染が疑われる症例も報告
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コウモリが媒介する主な病原菌と感染症一覧

コウモリは多種多様な病原体を保有しており、世界中で様々な感染症の発生源となっています。

以下では、コウモリが媒介する主要な病原体を、ウイルス、細菌、真菌、寄生虫の4つのカテゴリーに分けて詳しく解説します。

ウイルス

コウモリが保有するウイルスは、人類に深刻な健康被害をもたらす可能性があるものが多く含まれています。

これらのウイルスは、コウモリの体内で変異を繰り返し、時に種の壁を越えてヒトに感染する能力を獲得します。

SARS

引用元:重症急性呼吸器症候群(SARS)(詳細版)|国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト

SARS(重症急性呼吸器症候群)は、2002年から2003年にかけて世界的な流行を引き起こしたコロナウイルス感染症です。

当初はジャコウネコが感染源と考えられていましたが、後の研究により、キクガシラコウモリやコキクガシラコウモリが自然宿主であることが判明しました。

感染すると、平均5日の潜伏期間を経て、発熱、筋肉痛、頭痛などのインフルエンザ様症状が現れます。重症化すると、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)に進行し、特に高齢者や基礎疾患を持つ人では20%程度の患者で呼吸器系の重篤な合併症が発生する可能性があります。

MERS

引用元:中東呼吸器症候群(MERS)|相模原市

MERS(中東呼吸器症候群)は、2012年に初めて報告されたコロナウイルス感染症で、主に中東地域で発生しています。

このウイルスもコウモリが自然宿主とされ、ヒトコブラクダを中間宿主として人に感染することが確認されています。

MERSの症状は、発熱、咳、息切れなどの呼吸器症状が主体で、下痢などの消化器症状を伴うこともあります。

致死率は約30~40%と非常に高い数値を示しており、特に糖尿病、慢性肺疾患、免疫不全などの基礎疾患を持つ人は重症化リスクが高く、注意が必要です。

エボラ

引用元:エボラ出血熱 – Wikipedia

エボラ出血熱は、エボラウイルスによって引き起こされる致死率の高い感染症で、主にアフリカで発生しています。

オオコウモリ科のウマヅラコウモリ、フランケオナシケンショウコウモリ、コクビワフルーツコウモリなどが自然宿主と考えられています。

潜伏期間は2~21日で、初期症状として発熱、頭痛、筋肉痛、咽頭痛などが現れます。

その後、嘔吐、下痢、発疹が出現し、重症化すると内臓機能の低下、出血傾向が見られます。最終的には多臓器不全により死に至ることが多く、致死率は発生地域やウイルスの種類により25~90%と幅がありますが、極めて危険な感染症です。

ニパ

引用元:動物衛生研究部門:家畜疾病図鑑Web:ニパウイルス感染症 | 農研機構

ニパウイルス感染症は、主に東南アジアで発生している人獣共通感染症で、オオコウモリが自然宿主とされています。

1998年にマレーシアで初めて確認されて以来、バングラデシュやインドなどで定期的に発生が報告されています。

症状は、発熱、頭痛、筋肉痛、めまい、嘔吐などから始まり、進行すると意識障害、けいれん、昏睡などの急性脳炎症状を呈します。

致死率は40~75%と非常に高く、生存者でも神経学的後遺症が残ることが多い深刻な感染症です。

ヘンドラ

ヘンドラウイルス感染症は、主にオーストラリアで報告されている人獣共通感染症で、オオコウモリが自然宿主となっています。

1994年に初めて確認されて以来、散発的に発生が続いており、主に馬を介してヒトに感染します。

症状は、インフルエンザ様症状から始まり、重症化すると肺炎や脳炎を引き起こし、致死率は約60%に達します。

オーストラリアでは、馬を扱う人々に対して、適切な個人防護具の使用や、病気の馬との接触を避けることが推奨されています。現在、馬用のワクチンは開発されていますが、ヒト用のワクチンはまだ実用化されていません。

リッサウイルス

引用元:リッサウイルス感染症 – Wikipedia

リッサウイルス感染症は、狂犬病ウイルスと同じラブドウイルス科に属するウイルスによる感染症です。

アフリカ、ヨーロッパ、オーストラリアなどに生息するオオコウモリや食虫性コウモリから複数の種類が発見されています。

症状は狂犬病と酷似しており、1~3か月の潜伏期間の後、発熱、倦怠感、咬傷部位の疼痛や掻痒感から始まります。

進行すると、興奮、錯乱、幻覚、恐水症状、嚥下困難などの中枢神経症状が現れ、最終的には呼吸麻痺により死亡します。発症後の致死率はほぼ100%で、有効な治療法は存在しません。

細菌

コウモリは様々な病原性細菌も保有しており、これらの細菌は直接的または間接的にヒトに感染する可能性があります。

特に、コウモリの生息環境や糞便中に存在する細菌は、適切な予防措置を取らなければ健康被害をもたらすことがあります。

サルモネラ菌

引用元:サルモネラ(細菌)[Salmonella Enteritidis, S. Typhimurium]:農林水産省

サルモネラ菌は、コウモリを含む多くの野生動物が保有する病原性細菌で、食中毒の原因菌として広く知られています。

コウモリの糞便中に存在することが確認されており、糞便で汚染された環境との接触が主な感染経路となります。

感染すると、12~36時間の潜伏期間を経て、急性の発熱、腹痛、下痢、嘔気、嘔吐などの症状が現れます。

予防としては、コウモリの糞便が蓄積している場所での作業時には、防塵マスクや手袋を着用し、作業後は必ず手洗いを徹底することが重要です。また、コウモリが侵入した可能性のある食品保管場所では、食品の衛生管理に特に注意を払う必要があります。

レプトスピラ菌

引用元:レプトスピラ症|国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト

レプトスピラ菌は、らせん状の形態を持つ病原性細菌で、レプトスピラ症の原因となります。

コウモリを含む多くの哺乳類が保菌者となり、尿中に菌を排出することで環境を汚染します。

症状は非常に多様で、軽症例では風邪様症状のみですが、重症例では黄疸、腎不全、出血傾向を伴うワイル病に進行することがあります。

潜伏期間は3~14日で、初期症状として突然の発熱、頭痛、筋肉痛、結膜充血などが現れます。

日本では年間数十例の報告があり、特に沖縄県や九州地方での発生が多く見られます。

真菌

コウモリの生息環境には、様々な真菌(カビ)が存在し、その中には人に感染症を引き起こすものが含まれています。

特に、コウモリの糞便が蓄積された場所は、これらの病原性真菌の増殖に適した環境となることが多く、注意が必要です。

ヒストプラズマ症

引用元:インバウンド真菌症(ヒストプラスマ症)|国立健康危機管理研究機構 感染症情報提供サイト

ヒストプラズマ症は、ヒストプラズマ・カプスラーツムという真菌によって引き起こされる感染症です。

この真菌は、コウモリや鳥の糞で汚染された土壌中で増殖し、乾燥した糞便が粉塵となって空気中に舞い上がることで、吸入感染が成立します。

コウモリの集団繁殖地や洞窟、古い建物の屋根裏などは、特に感染リスクの高い場所となります。

多くの場合、感染しても無症状か軽い呼吸器症状のみで経過しますが、大量の胞子を吸入した場合や免疫力が低下している人では重症化することがあります。重症例では、発熱、咳、胸痛、呼吸困難などの肺炎症状が現れ、さらに進行すると全身性の播種性ヒストプラズマ症に移行することもあります。

予防としては、コウモリの糞便が蓄積している場所での作業時には、N95マスクなどの適切な呼吸保護具を着用することが不可欠です。

その他にもカビ由来の疾患のおそれあり

ヒストプラズマ症以外にも、コウモリの生息環境に関連した真菌感染症のリスクは存在します。

例えば、クリプトコッカス症の原因菌であるクリプトコッカス・ネオフォルマンスも、コウモリの糞便が蓄積した環境で増殖することが知られています。

また、アスペルギルス属の真菌も、コウモリの生息地で見つかることがあり、免疫力が低下した人では侵襲性アスペルギルス症を引き起こす可能性があります。

特に、慢性呼吸器疾患、糖尿病、悪性腫瘍、HIV感染症などの基礎疾患を持つ人は、健常人よりも真菌感染症のリスクが高いため、より厳重な予防措置が必要となります。

寄生虫

コウモリには様々な外部寄生虫が付着しており、これらの寄生虫が直接的に人に害を与えたり、病原体を媒介したりすることがあります。

特に、コウモリが人の生活空間に侵入した場合、これらの寄生虫が人に寄生する可能性も考慮する必要があります。

コウモリトコジラミ

引用元:京都市:トコジラミについて

コウモリトコジラミは、コウモリに特異的に寄生する吸血性昆虫で、通常のトコジラミ(南京虫)の近縁種です。

コウモリが人の住居に侵入した場合、コウモリトコジラミも一緒に持ち込まれることがあり、コウモリがいなくなった後も建物内に残って人を吸血することがあります。

吸血された部位には、激しいかゆみを伴う赤い発疹が現れ、掻き壊すことで二次感染を起こすリスクもあります。

駆除には専門的な知識が必要で、市販の殺虫剤では完全に除去することが困難な場合が多いため、発見した際は速やかに専門業者に相談することが推奨されます。予防としては、コウモリの侵入を防ぐことが最も重要です。

コウモリマルヒメダニ

コウモリマルヒメダニは、コウモリに寄生する小型のダニで、日本国内でも広く分布しています。

このダニは、コウモリから離れて人に寄生することがあり、吸血により皮膚炎を引き起こすだけでなく、各種病原体を媒介する可能性も指摘されています。

特に注意が必要なのは、コウモリの繁殖期である春から夏にかけて、ダニの活動も活発になることです。

このダニが媒介する可能性のある病原体には、リケッチア、ボレリア、バルトネラなどがあり、これらによる感染症のリスクも考慮する必要があります。作業後は、衣服をビニール袋に入れて密封し、高温で洗濯することで、付着したダニを確実に除去することができます。

日本での感染報告や注意すべき病原体一覧

日本国内におけるコウモリ由来の感染症は、海外と比較すると発生頻度は低いものの、いくつかの病原体については注意が必要です。

  • コロナウイルス:日本のコウモリからもSARSウイルスに近縁のウイルスが検出
  • 狂犬病ウイルス:日本は清浄国だが、コウモリが保有している可能性は完全には否定されず
  • SFTS(重症熱性血小板減少症候群)ウイルス:コウモリマルヒメダニが媒介の可能性
  • ヒストプラズマ症:最近では国内感染が疑われる症例も報告
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空気感染のリスクは?コウモリから人間への感染ルート

コウモリから人への病原体の感染経路は多岐にわたり、それぞれに特有のリスクと予防策があります。

空気感染の可能性も含め、様々な感染経路を理解することは、効果的な予防対策を講じる上で極めて重要です。

糞や尿からの粉塵吸引による空気感染

コウモリの糞や尿が乾燥して粉塵化したものを吸い込むことによる空気感染は、最も注意すべき感染経路の一つです。

特に、コウモリが長期間生息していた場所では、大量の糞便が蓄積し、これが乾燥して微細な粒子となって空気中に浮遊します。

この粉塵には、ヒストプラズマ・カプスラーツムなどの真菌の胞子や、各種病原体が含まれている可能性があります。

屋根裏、倉庫、洞窟などの密閉された空間では、粉塵の濃度が特に高くなりやすく、掃除や片付け作業時に大量に吸入するリスクが高まります。エアコンや換気扇を通じて、これらの粉塵が室内に拡散することもあり、知らないうちに曝露している可能性もあります。

予防策としては、コウモリの糞便がある場所での作業時には必ずN95マスクなどの高性能な防塵マスクを着用し、作業前に水を撒いて粉塵の飛散を抑制することが重要です。

唾液・血液・咬傷などからの直接感染

コウモリの唾液、血液、組織液などの体液との直接接触による感染は、最も深刻な健康被害をもたらす可能性がある感染経路です。

特に危険なのは、コウモリに咬まれたり引っ掻かれたりすることで、狂犬病ウイルスやリッサウイルスなどの致死的な病原体に感染するリスクです。

コウモリの唾液には高濃度のウイルスが含まれている可能性があり、たとえ小さな傷でも感染が成立することがあります。

怪我をしたコウモリや弱っているコウモリを見つけても、決して素手で触れてはいけません。万が一、コウモリに咬まれたり引っ掻かれたりした場合は、直ちに傷口を石鹸と流水で15分以上洗浄し、消毒した上で、速やかに医療機関を受診する必要があります。

コウモリに寄生する虫やダニを介した間接感染

コウモリに寄生するダニやトコジラミなどの節足動物を介した間接感染も、重要な感染経路として認識されています。

これらの寄生虫は、コウモリから離れて人に寄生することができ、吸血時に病原体を媒介する可能性があります。

特に注意が必要なのは、マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)や、リケッチア症などの感染症です。

これらの寄生虫による間接感染を防ぐためには、コウモリの生息場所の清掃時に適切な防護服を着用し、忌避剤を使用することが重要です。さらに、コウモリを駆除した後も、残存する寄生虫の駆除を徹底的に行う必要があります。

感染リスクが高まるシチュエーションとは

コウモリからの感染リスクが特に高まる状況を理解することは、効果的な予防策を講じる上で不可欠です。

  • 洞窟探検、廃屋の解体作業、屋根裏の改修工事など
  • 台風や地震などの自然災害後
  • 春から夏にかけてのコウモリの繁殖期
  • 免疫力が低下している人(高齢者、乳幼児、妊婦、基礎疾患保有者)
  • ペットがコウモリと接触した家庭
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コウモリとの接触を避けるには?自分でできる予防

コウモリからの感染症を予防する最も確実な方法は、コウモリとの接触を避けることです。

日常生活の中で実践できる具体的な予防策を理解し、実行することで、感染リスクを大幅に減少させることができます。

家屋への侵入を防ぐ

コウモリの家屋への侵入を防ぐことは、感染症予防の第一歩となります。

コウモリは非常に小さな隙間からでも侵入可能で、わずか1センチ程度の隙間があれば通り抜けることができます。

換気口

換気口は、コウモリの代表的な侵入経路の一つで、特に古い建物では対策が不十分なことが多く見られます。

まず、すべての換気口に適切な網目のネットやメッシュを取り付けることが基本となります。

網目の大きさは6ミリ以下が理想的で、これによりコウモリの侵入を物理的に防ぐことができます。

  • 換気機能を損なわないよう、目詰まりしにくい材質を選ぶ
  • 換気口周辺の壁面に隙間がないか定期的に点検
  • 屋根裏の換気口は特に注意し、より頑丈な対策を
  • 季節の変わり目にネットの破損や劣化を確認

軒下

軒下は、コウモリが休息場所として頻繁に利用する場所であり、ここから屋内への侵入が起こることも少なくありません。

軒下の隙間を塞ぐには、金属製のメッシュや耐候性のあるゴム製のシール材を使用することが効果的です。

特に、屋根と壁の接合部分や、雨樋の取り付け部分周辺は、経年劣化により隙間が生じやすい場所です。

これらの箇所には、伸縮性のあるシーリング材を充填し、完全に密閉することが重要です。

配管まわり

エアコンの配管や給排水管の貫通部は、見落としがちながらコウモリの侵入経路となりやすい場所です。

配管が壁を貫通する部分には、必ず適切なサイズのパテや発泡ウレタンを使用して隙間を完全に埋める必要があります。

特に、エアコンの室外機と室内機を結ぶ配管の貫通部は、施工時の隙間が残りやすく、注意が必要です。

古い建物では、配管周りのシーリングが劣化して隙間が生じていることが多いため、定期的な補修が欠かせません。不安な場合は専門業者に依頼することをお勧めします。

コウモリのフン・死骸を見つけたときの適切な処理手順

コウモリの糞や死骸を発見した場合、不適切な処理は感染症のリスクを高めるため、正しい手順に従って対処することが極めて重要です。

  • 絶対に素手で触れない
  • 使い捨ての手袋、防塵マスク(N95規格以上)、保護メガネを着用
  • 清掃前に消毒用アルコールや次亜塩素酸ナトリウム溶液を噴霧
  • 使い捨てのペーパータオルや新聞紙で除去し、ビニール袋に密封
  • 清掃後は汚染された場所を消毒液で十分に拭き取り
  • 作業終了後は着用していた衣服を高温で洗濯し、シャワーを浴びる

大量の糞や複数の死骸がある場合は、感染リスクが高いため、専門業者への依頼を検討すべきです。

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野外活動時の注意

野外活動時には、コウモリとの予期せぬ遭遇に備えた適切な注意が必要です。

特に、洞窟探検、キャンプ、ハイキング、廃屋探索などでは、コウモリの生息地に立ち入る可能性が高まります。

  • 洞窟に入る際は懐中電灯で内部を確認し、コウモリの群れがいる場合は立ち入りを避ける
  • テント設営場所は木の洞や岩の隙間など、コウモリが潜んでいそうな場所の近くを避ける
  • 夜間の移動時はヘッドライトを使用して周囲を確認
  • 果実を食べる際は、コウモリが触れた可能性のあるものは避け、きれいに洗う
  • 食事の際は食べ物をしっかりと覆い、コウモリの唾液や糞による汚染を防ぐ

ペットや家畜を媒介にしないための工夫

ペットや家畜は、コウモリとの接触により病原体を家庭内に持ち込む可能性があるため、適切な管理が不可欠です。

犬や猫などのペットは、好奇心からコウモリを追いかけたり、捕まえようとしたりすることがあります。

  • 夜間の散歩時は、コウモリを見かけてもペットが近づかないようリードでコントロール
  • 庭で飼っているペットは、夕暮れ時から明け方にかけては屋内に入れる
  • 家畜の飼料や水がコウモリの糞や唾液で汚染されないよう、餌箱や水飲み場にカバーを設置
  • 納屋や畜舎の天井や壁の隙間を定期的に点検
  • 定期的なワクチン接種を欠かさない

子どもや高齢者がいる家庭での注意点

子どもや高齢者は免疫力が相対的に低く、コウモリ由来の感染症に対してより脆弱であるため、特別な配慮が必要です。

子どもの場合、好奇心から弱ったコウモリや死骸に触れようとすることがあるため、コウモリの危険性について適切に教育することが重要です。「コウモリは病気を持っているかもしれないから、絶対に触らない」という明確なルールを設定し、繰り返し伝えます。

高齢者の場合は、視力や聴力の低下により、コウモリの存在に気付きにくいことがあります。

家族が定期的に生活空間を点検し、コウモリの侵入の兆候がないか確認することが大切です。

万が一、子どもや高齢者がコウモリと接触した場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な処置を受けることが重要です。

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コウモリ駆除は自分でできない?法律の基礎知識

コウモリの駆除を考える際、まず知っておくべきことは、日本ではコウモリが法律により保護されているという事実です。

安易に駆除を試みると、法律違反となり罰則を受ける可能性があるため、正確な法的知識を持つことが不可欠です。

鳥獣保護管理法の内容と「アブラコウモリ」の位置づけ

日本では、すべての野生動物は「鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律」(通称:鳥獣保護管理法)により保護されています。

この法律では、野生の鳥獣を許可なく捕獲、殺傷することを禁止しており、違反した場合は刑事罰の対象となります。

日本で最も一般的に見られるアブラコウモリ(イエコウモリ)も、この法律の保護対象に含まれています。

アブラコウモリは、日本在来種として生態系の一部を構成しており、昆虫を捕食することで害虫駆除に貢献する益獣としての側面も持っています。そのため、たとえ家屋に侵入して被害を与えていても、無許可での捕獲や殺傷は違法行為となります。

違法駆除とそのリスク(罰則・処罰事例)

鳥獣保護管理法に違反してコウモリを無許可で捕獲・殺傷した場合、厳しい罰則が科される可能性があります。

個人が違反した場合、1年以下の懲役または100万円以下の罰金が科されることが法律で定められています。

法人の場合はさらに重く、1億円以下の罰金が科される可能性があります。

実際の処罰事例としては、無許可でコウモリを駆除した業者が摘発され、罰金刑を受けたケースや、個人が殺虫剤を使用してコウモリを殺傷し、書類送検されたケースなどが報告されています。また、違法駆除は法的な問題だけでなく、社会的な信用失墜にもつながります。

一般家庭で合法的にできる範囲とは?

法律の制約がある中でも、一般家庭で合法的に実施できるコウモリ対策は存在します。

最も基本的かつ効果的な方法は、コウモリの侵入経路を塞ぐことによる「追い出し」と「侵入防止」です。

  • コウモリが外出した後に侵入口を塞ぐことで、自然に追い出す
  • 市販の忌避剤やLEDライト、超音波発生器を使用
  • 適切な防護措置を取った上での糞の清掃

重要なのは、コウモリ自体には直接手を出さず、環境を整えることで自然に離れてもらうという考え方です。

事前に知っておきたい行政への相談窓口

コウモリ被害に悩んでいる場合、まず相談すべきは地域の行政窓口です。

市町村役場の環境課や生活衛生課では、コウモリに関する相談を受け付けており、適切なアドバイスや対応方法を教えてもらえます。都道府県の自然環境課や野生動物対策課では、より専門的な相談に応じており、場合によっては現地調査を行ってくれることもあります。

保健所では、コウモリによる衛生上の問題や感染症のリスクについて相談することができます。

相談は基本的に無料で、電話でも受け付けているところが多いため、まずは気軽に問い合わせてみることをお勧めします。

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コウモリの駆除は業者に任せるべき!メリットを解説

コウモリ駆除を専門業者に依頼することには、多くのメリットがあります。

法的な制約、健康上のリスク、技術的な困難さを考慮すると、プロフェッショナルに任せることが最も安全で確実な解決策といえます。

業者ならではの駆除手法と再発防止策

専門業者は、長年の経験と専門知識に基づいた効果的な駆除手法を持っています。

まず、建物の構造を詳細に調査し、コウモリの侵入経路をすべて特定する技術があります。

  • 一般の人では見落としがちな小さな隙間も、専門的な機器を使用して発見
  • コウモリの生態を熟知した上で、適切なタイミングと方法を選択
  • 繁殖期や冬眠期を避けて作業を行い、効果的かつ人道的な駆除を実現
  • 特殊な防護ネットの設置、隙間の恒久的な封鎖、忌避剤の効果的な配置
  • 定期的なアフターフォローにより、再発の兆候を早期に発見

感染症リスク・衛生対策・消毒作業までワンストップ

専門業者の最大の強みの一つは、感染症リスクを最小限に抑えながら作業を行える点です。

作業員は適切な防護具を着用し、感染症に関する専門的な訓練を受けているため、安全に作業を進めることができます。

コウモリの糞の除去では、特殊な吸引機器を使用して粉塵の飛散を防ぎ、作業後は医療機関でも使用される強力な消毒剤で徹底的に殺菌します。

一般家庭では入手困難な業務用の消毒機器や薬剤を使用できるのも、専門業者ならではの利点です。消臭作業も含まれており、コウモリの糞尿による悪臭を完全に除去します。これらの総合的な衛生対策により、家族の健康を守りながら、快適な生活環境を取り戻すことができます。

実績のある業者の見分け方と費用相場

信頼できる専門業者を選ぶことは、効果的な駆除と適正な費用負担のために重要です。

  • 鳥獣保護管理法に基づく適切な許可を持っているか
  • 害虫駆除協会などの業界団体に加盟しているか
  • 施工事例の写真や詳細な説明を確認
  • 複数の業者から見積もりを取り、内容を詳細に比較
  • 保証期間の有無(通常1年から5年程度)

費用相場は、建物の規模や被害の程度により大きく異なりますが、一般的な住宅では10万円から50万円程度が目安となります。

ただし、極端に安い見積もりには注意が必要で、追加料金が発生したり、不十分な作業で再発したりするリスクがあります。

「業者に頼むのは大げさ?」と感じる人への注意喚起

コウモリ被害に対して「業者に頼むほどではない」と考える人も少なくありませんが、この判断には大きなリスクが伴います

コウモリ由来の感染症は、初期症状が軽微でも重篤化する可能性があり、特に免疫力の低い家族がいる場合は深刻な健康被害につながることがあります。また、素人による不適切な駆除は、法律違反となるだけでなく、コウモリを刺激して攻撃的にさせる危険性もあります。

再発を繰り返すうちに、被害は拡大し、最終的にはより高額な費用がかかることになります。

初期段階で専門業者に相談することで、被害を最小限に抑え、家族の健康と財産を守ることができるのです。

コウモリ

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鳥獣保護法に則った適切な追い出しと侵入口封鎖が必要です。まずは無料相談でご状況をお聞かせください。

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コウモリと病原菌に関するよくある質問(FAQ)

コウモリの被害や感染症リスクについて、多くの方から寄せられる質問にお答えします。

日常生活で遭遇する可能性のある状況について、具体的な対処法を含めて解説していきます。

  1. Q1:日本の住宅にいるコウモリにもウイルスはある?

    日本の住宅地で最も一般的に見られるアブラコウモリ(イエコウモリ)も、潜在的に病原体を保有している可能性があります。
    現在のところ、日本のアブラコウモリから致死的なウイルスが検出された報告は少ないものの、研究によりコロナウイルスの近縁種が発見されています。
    特に懸念されるのは、マダニが媒介する重症熱性血小板減少症候群(SFTS)です。さらに、コウモリの糞には細菌や真菌が含まれており、乾燥して粉塵化したものを吸入すると、呼吸器系の感染症を引き起こす可能性があります。

  2. Q2:子どもがコウモリを触ってしまった!どうする?

    子どもがコウモリに触れてしまった場合は、落ち着いて迅速に対応することが重要です。
    ・触れた部位を直ちに石鹸と流水で最低15分間洗浄し、アルコール系の消毒液で消毒
    ・咬まれたり引っ掻かれたりした形跡がないか、全身をくまなく確認
    ・たとえ明確な傷が見つからなくても、速やかに医療機関を受診
    ・受診時には、コウモリとの接触状況を詳しく説明
    ・必要に応じて狂犬病の暴露後予防接種を受ける
    今後の予防として、子どもにコウモリの危険性について改めて説明し、野生動物には決して触れないよう指導しましょう。

  3. Q3:死骸を触ってしまったときの応急処置は?

    コウモリの死骸に触れてしまった場合、速やかな応急処置が感染症予防の鍵となります。
    まず、触れた手や部位を石鹸と流水で最低15分間、徹底的に洗浄します。
    その後、70%以上のアルコール消毒液で消毒し、傷がある場合はヨード系消毒薬を使用します。
    重要なのは、死骸に触れた手で顔や口を触らないことです。洗浄・消毒後も、24時間は体調の変化に注意を払い、発熱、頭痛、倦怠感などの症状が現れた場合は直ちに医療機関を受診します。
    このような状況を避けるためにも、死骸を発見した場合は触れずに専門業者に連絡することが最善です。

  4. Q4:一匹だけでも駆除・相談すべき?

    たとえ一匹だけでも、コウモリを発見した場合は速やかに対策を検討すべきです。
    コウモリは群れで生活する習性があり、一匹が確認されれば、近くに他の個体が潜んでいる可能性が高いといえます。
    また、一匹でも建物に侵入したということは、侵入経路が存在することを意味し、今後さらに多くのコウモリが侵入する可能性があります。特に繁殖期には、一匹のメスが3~4匹の子どもを産むため、放置すれば急速に個体数が増加します。

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まとめ

コウモリは多様な病原体を保有する「ウイルスの貯水池」として知られ、世界中で様々な感染症の発生源となっています。

日本国内でも、アブラコウモリによる被害は増加傾向にあり、適切な知識と対策が求められています。

コウモリが媒介する病原体には、ウイルス、細菌、真菌、寄生虫など多岐にわたり、中には致死的な感染症を引き起こすものも含まれています。

感染経路は、糞の粉塵吸入による空気感染、咬傷や引っかき傷による直接感染、ダニなどを介した間接感染など様々です。予防策として最も重要なのは、コウモリとの接触を避け、侵入を防ぐことです。

しかし、日本ではコウモリが鳥獣保護管理法により保護されているため、個人での駆除には法的な制限があります。

そのため、コウモリ被害に遭遇した場合は、専門知識と適切な許可を持つ業者に依頼することが、最も安全で確実な解決策となります。

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鳥獣保護法を遵守した適切な追い出しと侵入口封鎖をご提供します

コウモリは鳥獣保護管理法により保護されており、無許可での捕獲や殺傷は禁止されています。そのため、適切な追い出し方法と侵入口の封鎖が必要です。軒下や屋根裏に溜まった糞は悪臭を放ち、建材を腐食させるだけでなく、真菌や細菌による健康被害のリスクもあります。また、羽音や鳴き声による騒音で安眠が妨げられるケースも少なくありません。「おうちのミカタ」では、法律を遵守しながら効果的にコウモリを追い出し、二度と侵入できないよう侵入口を完全に封鎖します。

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糞の除去と清掃
消毒・消臭処理
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コウモリの種類や状況に応じた最適な対策をご提案します。

ABOUT ME
花輪 光(ハナワ アキラ)

株式会社花光 代表取締役

専門分野

害獣駆除・害獣対策工事

保有資格
  • わな猟狩猟免状(第05014号)
  • しろあり防除施工士(第744号・第745号)

など

プロフィール

2020年に株式会社花光を設立し、関東・関西・東海・九州エリアで24時間365日体制の害獣駆除サービスを展開。「お客様の不安を安心に変える仕事」をモットーに、専門的な知識と技術に基づいた確実な駆除・対策を実施している。

メディア実績
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