コウモリが家に入ってきた!追い出す方法や駆除をプロに依頼すべきケースを解説

コウモリは、わずか1〜2cmの隙間から侵入し、屋根裏や天井裏に巣を作ることもあります。

本記事では、コウモリが家に入ってきた際の適切な対処法から再侵入防止策、そして専門業者に依頼すべきケースまで、害獣駆除のプロの視点から詳しく解説します。

コウモリが家に入ってきた!1匹でもコウモリがいたら要注意な理由

「たった1匹のコウモリだから大丈夫」と思っていませんか。

実は、家の中でコウモリを1匹見つけたら、すでに複数のコウモリが侵入している可能性が高く、早急な対策が必要です。

コウモリは繁殖力が高く、放置すると糞尿被害や健康リスクが急激に拡大します。

ここでは、たとえ1匹でもコウモリを見つけたら、なぜ要注意なのか、その理由を専門家の視点から解説しましょう。

コウモリの習性と被害の実態を知れば、早期対策の重要性がお分かりいただけるはずです。

「コウモリ1匹いたら複数いる」のは本当?

「コウモリが1匹いたら複数いる」という話は、実際のところ本当なのでしょうか。

これは単なる都市伝説ではなく、コウモリの生態に基づいた事実です。

日本の住宅に侵入するアブラコウモリは群れで行動する習性があり、単独で行動することはほとんどありません。たとえば、繁殖期には母親と子どもたちが一緒に生活し、1つの巣に10〜20匹が同居することも珍しくないのです。

実際に害獣駆除の現場では、「1匹だけだと思っていた」というお客様の家から、調査の結果10匹以上のコウモリが発見されることもよくあります。

そのため、コウモリを1匹でも見つけたら、すぐに家全体の調査を行うことが重要です。

すぐに繁殖してしまうリスク

コウモリの繁殖力の高さは、多くの方が想像する以上に驚異的です。

日本の住宅に侵入するアブラコウモリは、年に1〜2回出産し、1回の出産で2〜3匹の子どもを産みます。しかも妊娠期間はわずか30日程度と短く、生まれた子どもは約1カ月で飛べるようになり、翌年には繁殖可能になります。

たとえば、5月に1つがいのコウモリが侵入した場合、7〜8月には子どもが生まれ、秋には5〜7匹に増えている可能性があります。

このような急速な繁殖を防ぐためにも、早期の対策が不可欠なのです。

フンが増えると感染症やアレルギーのリスクも倍増

コウモリのフンは、単なる汚れの問題では済まされません。

フンには様々な病原菌が含まれており、乾燥して粉塵化すると空気中に舞い上がり、呼吸器から体内に入る危険性があります。

具体的には、クリプトコッカス症やヒストプラズマ症などの感染症リスクがあり、免疫力が低下している方や高齢者、小さなお子様は特に注意が必要です。

1匹でも見つけたらすぐに対策を講じることが家族の健康と住まいを守る鍵となるのです。

家に入ってきたコウモリを自分で追い出す方法と注意点

コウモリが家に入ってきた際、パニックにならず冷静に対処することが大切です。

しかし、コウモリは鳥獣保護管理法で守られている動物であり、適切な方法で追い出す必要があります。

ここでは、室内や屋根裏などに侵入したコウモリを、法律に違反することなく安全に追い出す方法を紹介します。

ただし、素人の方が行うには限界があることも事実です。正しい知識を身につけて、できる範囲で対処し、必要に応じて専門業者に相談することが、問題解決への近道となるでしょう。

室内に侵入した場合の基本的な対処法

室内にコウモリが入ってきたら、まず落ち着いて窓を大きく開けましょう。

コウモリは基本的に臆病な生き物なので、逃げ道があれば自然に外へ出ていくことが多いです。

部屋の照明を消して暗くすると、明るい外へ向かって飛んでいく可能性が高まります。なかなか出ていかない場合は、LEDライトでコウモリに向かって光を照らすことで、不快に感じて外へ逃げていくことがあります。

追い出しに成功したら、すぐに窓を閉めて再侵入を防ぐことも忘れずに行ってください。

燻煙剤・忌避スプレー・超音波の使い方と注意点

市販の忌避グッズを使用する際は、それぞれの特性を理解して適切に使用することが重要です。

忌避スプレーは即効性があり、狭い空間や特定の場所に直接噴射できるため、通気口や換気扇周辺のコウモリ対策に効果的です。ただし、効果は一時的なので定期的な使用が必要になります。

燻煙剤は広い空間全体に効果を発揮するため、屋根裏や天井裏などの広範囲の対策に適していますが、使用前に火災報知器をカバーし、ペットや観葉植物を避難させる必要があります。

超音波発生装置は、コウモリが嫌がる周波数の音を発生させる装置で、設置するだけで継続的な効果が期待できますが、製品によって効果にばらつきがあるのが現状です。

屋根裏・換気口・通気口への対策は？

屋根裏や換気口などの高所や狭い場所に潜むコウモリへの対処は、特に慎重に行う必要があります。

屋根裏の場合、まず昼間にコウモリがいる場所を確認し、夕方コウモリが餌を求めて外出するタイミングを狙って忌避剤を使用します。

広い屋根裏では燻煙剤が効果的ですが、必ずマスクを着用し、換気を十分に行いながら作業しましょう。

高所作業になる場合は安全装備が必須で、DIYでの作業が困難な場合は無理をせず専門業者に依頼することが賢明です。

コウモリを追い出すべきタイミングは？

コウモリを追い出すタイミングは、その生態を考慮して慎重に選ぶ必要があります。

最も適した時期は4〜6月と9〜10月で、この時期はコウモリの繁殖期と冬眠期の間にあたり、活動的でありながら子育てをしていない時期です。特に夕方から夜にかけて、コウモリが餌を求めて外出するタイミングを狙うと効果的に追い出せます。

一方で、避けるべき時期として7〜8月の繁殖期があり、この時期に親コウモリを追い出すと、飛べない赤ちゃんが残されて死んでしまう可能性があります。

都市部では暖房の影響で冬でも活動するコウモリもいますが、基本的には季節に配慮した対処が必要です。適切なタイミングを選ぶことで、法律に違反することなく、人道的にコウモリを追い出すことができるのです。

繁殖期（7〜9月）や冬眠期（11〜3月）の扱いに要注意

繁殖期と冬眠期のコウモリ対策は、特別な配慮が必要な時期として認識しておくべきです。

7〜9月の繁殖期には、母コウモリが巣で子育てをしており、この時期に駆除を行うと飛べない赤ちゃんコウモリが取り残される危険があります。赤ちゃんコウモリは生後約1カ月まで飛ぶことができないため、親が追い出されると餓死してしまい、これは動物愛護の観点からも避けるべき事態です。

冬眠期の11〜3月は、コウモリが体温を下げて省エネルギー状態になっているため、急激な環境変化に対応できません。この時期の駆除は、コウモリを死に至らしめる可能性が高く、鳥獣保護管理法に抵触するリスクもあります。

しかし、これらの時期でも被害が深刻な場合は、専門業者なら適切な方法で対処できることがあるため、無理に自分で対処しようとせず、プロに相談することをおすすめします。

注意！コウモリに触れてはいけない理由

コウモリに絶対に素手で触れてはいけない理由は、深刻な健康被害のリスクがあるからです。

まず、コウモリに噛まれると狂犬病などのウイルスに感染する可能性があり、日本では最近発症例はないものの、海外では依然として死亡例が報告されています。

さらに、コウモリの体にはコウモリマルヒメダニなどの寄生虫が付着しており、これらが人間に移ると皮膚炎やアレルギー症状を引き起こすことがあります。

また、コウモリは様々な未知のウイルスを保有している可能性もあり、新型コロナウイルスの起源としても注目されました。これらのリスクを避けるため、コウモリを扱う際は必ず厚手の手袋やマスク、ゴーグルなどの防護具を着用し、作業後は手洗い・うがいを徹底することが重要です。

コウモリを家から追い出した後にすべきことは?再侵入対策を解説

コウモリを一度追い出しても、それで問題が解決したわけではありません。

コウモリには強い帰巣本能があり、同じ場所に戻ってくる習性があるため、追い出した後の再侵入対策こそが重要です。

実際に、対策を怠ったために何度もコウモリに侵入され、被害が拡大してしまったケースは少なくありません。

ここでは、コウモリの再侵入を防ぐための具体的な対策方法を、プロの視点から詳しく解説します。徹底的な対策を行うことで、コウモリ被害の根本的な解決を目指しましょう。

侵入経路を特定する方法【チェックポイント一覧】

コウモリの侵入経路を特定することは、再発防止の第一歩です。

アブラコウモリは体長4〜6cmと小さく、わずか1〜2cmの隙間があれば侵入できるため、家の外周を入念にチェックする必要があります。

侵入経路の特定には、コウモリの糞が重要な手がかりとなり、糞が集中している場所の上部に侵入口があることが多いです。また、コウモリの体に付着した油分による黒い汚れも、頻繁に通る場所の目印となります。

昼間の明るい時間帯に、懐中電灯を使って暗い隙間を照らしながら確認すると、より効率的に侵入経路を発見できるでしょう。

1〜2cmの隙間を見逃すな!具体的な封鎖方法

コウモリの侵入を防ぐには、1〜2cmという小さな隙間も見逃さず封鎖することが不可欠です。

これらの隙間は一見すると大した問題に見えないかもしれませんが、体の柔らかいコウモリにとっては十分な侵入口となってしまいます。

封鎖作業を行う際は、まず全ての侵入可能な箇所をリストアップし、計画的に作業を進めることが重要です。ただし、コウモリが内部に残っている状態で封鎖してしまうと、閉じ込めてしまう危険があるため、必ず追い出し作業を完了させてから行いましょう。

封鎖作業は根気のいる作業ですが、ここで手を抜くと再び被害に悩まされることになるため、徹底的に行うことが大切です。

金網・コーキング・パテの使い方

隙間の封鎖には、場所や大きさに応じて適切な材料を選ぶことが重要です。

換気口や通気口などの空気の流れが必要な場所には、ステンレス製の金網（目の大きさ6mm以下）を使用します。金網は錆びにくい材質を選び、ビスでしっかりと固定することで、コウモリの侵入を防ぎながら通気性を確保できます。

小さな隙間や亀裂には、シリコン系のコーキング材が最適で、耐候性が高く、建物の動きにも柔軟に対応できるため長期間効果が持続します。コーキングを施工する際は、隙間の汚れを除去してから充填し、ヘラで平らに仕上げることが重要です。

DIYが難しい箇所は業者に依頼

自分で封鎖作業を行うには限界があり、特に高所や狭い場所での作業は危険を伴います。

屋根の上や2階以上の外壁、軒下などの高所作業は、転落事故のリスクが高く、専門的な足場や安全装備が必要です。また、屋根裏や壁の内部といった狭い空間での作業は、体勢が不安定になりやすく、釘やビスが飛び出している危険な場所でもあります。

さらに、瓦のズレや外壁のひび割れなど、建物の構造に関わる部分の修理は、専門知識がないと雨漏りなどの二次被害を引き起こす可能性があります。

プロの業者であれば、適切な道具と技術で安全かつ確実に作業を行い、保証付きのサービスを提供してくれることも多いです。自分でできる範囲とプロに任せるべき範囲を見極めることが、効率的な対策につながるのです。

コウモリが嫌がる環境づくり（明るさ・音・におい）

コウモリを寄せ付けない環境づくりは、物理的な封鎖と併せて行うことで、より効果的な予防対策となります。

コウモリは暗い場所を好むため、屋根裏や軒下にLEDライトを設置して明るくすることで、居心地の悪い環境を作れます。特にセンサー付きのライトは、コウモリが近づいた時だけ点灯するため、電気代を抑えながら忌避効果を発揮します。

音による対策では、超音波発生装置が有効で、人間には聞こえない周波数の音を発生させてコウモリを遠ざけます。

再発防止のためにしておきたい清掃・消毒手順

コウモリ駆除後の清掃と消毒は、健康被害を防ぎ、再侵入を予防する重要な作業です。

まず、防護服、マスク、手袋、ゴーグルを着用し、窓を開けて換気を確保してから作業を開始します。コウモリの糞は乾燥していて崩れやすいため、掃除機で吸い取るのは避け、霧吹きで湿らせてからほうきと塵取りで丁寧に除去しましょう。

糞を取り除いた後は、消毒用エタノールや次亜塩素酸ナトリウム溶液で徹底的に消毒し、特に糞が付着していた場所は念入りに処理します。

この一連の作業により、コウモリの痕跡を完全に除去することで、新たなコウモリが寄り付きにくい環境を作ることができます。

コウモリが家にいたら要注意!よくある被害は?

「たかがコウモリ」と軽視していると、思わぬ被害に発展することがあります。

コウモリによる被害は、単なる不快感だけでなく、健康被害や建物の劣化、精神的ストレスなど多岐にわたります。

特に長期間放置すると、被害は加速度的に拡大し、修復にかかる費用も膨大になってしまいます。

ここでは、実際にコウモリが家に棲みついた場合に起こりうる具体的な被害について、専門家の経験を基に詳しく解説します。被害の深刻さを理解することで、早期対策の重要性がより明確になるはずです。

フン・尿による悪臭と建物劣化

コウモリのフンと尿による被害は、想像以上に深刻な問題を引き起こします。

アブラコウモリは1日に自分の体重の約3分の1に相当する量のフンをするため、10匹のコウモリが1ヶ月棲みつくだけで、相当量のフンが蓄積されることになります。このフンは強いアンモニア臭を放ち、家中に悪臭が充満して日常生活に支障をきたします。

さらに深刻なのは、フンや尿に含まれる酸性成分が木材や金属を腐食させ、建物の構造にダメージを与えることです。

また、フンが断熱材に付着すると断熱効果が低下し、冷暖房効率が悪くなって光熱費の増加にもつながります。このような被害を防ぐためにも、コウモリの存在に気づいたら早急に対処することが建物の資産価値を守ることにもなるのです。

感染症リスクの具体例と症状（ハンタウイルス・クリプトコッカス症 など）

コウモリが媒介する感染症は、時に重篤な健康被害をもたらす可能性があります。

代表的な感染症として、ハンタウイルス感染症は発熱、頭痛、筋肉痛から始まり、重症化すると肺や腎臓に深刻なダメージを与えることがあります。

クリプトコッカス症はコウモリのフンに含まれる真菌が原因で、吸入により肺炎を引き起こし、免疫力が低下している人では髄膜炎に進行する危険性があります。

日本での発症例は少ないものの、海外ではコウモリに起因する狂犬病やニパウイルス感染症なども報告されており、グローバル化が進む現代では油断できません。これらの感染症は初期症状が風邪に似ているため見過ごされやすく、コウモリとの接触歴を医師に伝えることが適切な診断と治療につながります。

ダニ・ノミなどの二次被害

コウモリが持ち込む寄生虫による二次被害は、家族全員の健康を脅かす深刻な問題です。

コウモリマルヒメダニは代表的な寄生虫で、コウモリから離れると人間やペットにも吸血し、激しいかゆみや発疹を引き起こします。このダニは非常に小さく肉眼では確認しづらいため、知らないうちに家中に広がってしまうことが多いです。

ノミも同様に、コウモリから家の中に持ち込まれ、カーペットや寝具に潜んで繁殖し、家族やペットに被害を及ぼします。

一度家に定着した寄生虫を完全に駆除するのは困難で、専門的な殺虫処理が必要になることも多いため、コウモリの早期駆除が重要なのです。

鳴き声や飛行による精神的ストレスと健康影響

コウモリによる騒音被害は、身体的な健康被害に匹敵する深刻な問題です。

コウモリは夜行性のため、人が寝静まった深夜から早朝にかけて活発に活動し、「キーキー」という高い鳴き声や羽ばたき音、天井裏を走り回る音などが睡眠を妨害します。

慢性的な睡眠不足は集中力や判断力の低下を招き、仕事や日常生活に支障をきたすだけでなく、免疫力の低下により様々な病気にかかりやすくなります。

特に音に敏感な方や神経質な方、小さな子どもがいる家庭では、コウモリの存在が家族全員の生活の質を著しく低下させます。このような精神的・身体的な健康被害を防ぐためにも、コウモリの早期発見と適切な対処が不可欠なのです。

コウモリはなぜ家に入ってくるのか?その理由と生態

コウモリが家に入ってくる理由を理解することは、効果的な対策を立てる上で非常に重要です。

「なぜうちだけ?」と疑問に思う方も多いですが、実はコウモリが家を選ぶのには明確な理由があります。

コウモリの生態や習性を知ることで、なぜ人間の住居を好むのか、どのような環境を求めているのかが明らかになります。

ここでは、日本の住宅に最も多く侵入するアブラコウモリの特徴から、家に入ってくる具体的な理由まで、詳しく解説していきます。これらの知識は、予防対策を考える上でも重要な手がかりとなるでしょう。

日本の住宅に多く侵入するアブラコウモリとは?

日本の住宅に侵入するコウモリのほとんどは、アブラコウモリ（別名イエコウモリ）という種類です。

体長は4〜6cmと非常に小さく、体重もわずか5〜10g程度で、500円玉ほどの大きさしかありません。このコウモリの最大の特徴は、人家にのみ生息するという珍しい習性を持つことで、野生の洞窟や森林ではほとんど見られません。

夜行性で、日没後から活動を開始し、超音波を使ったエコロケーションで暗闇でも自在に飛行できます。アブラコウモリは日本在来種で鳥獣保護管理法により保護されているため、適切な方法での対処が求められる動物なのです。

家に虫が多いとコウモリも集まりやすい理由

コウモリが家に集まる最大の理由の一つは、豊富な餌である昆虫の存在です。

アブラコウモリは1晩で体重の約半分に相当する昆虫を捕食し、主に蚊、ユスリカ、蛾、小型のハエなどを餌としています。家の照明に引き寄せられる昆虫は、コウモリにとって格好の獲物となり、特に夏の夜、外灯や窓から漏れる光に集まる虫を狙ってコウモリも集まってきます。

また、庭に水たまりや池がある家、植物が多い家は昆虫が繁殖しやすく、それに比例してコウモリも寄り付きやすくなります。

寒さや外敵から逃れて「安全な巣」を求めてやってくる

コウモリが人間の家を選ぶもう一つの重要な理由は、安全で快適な巣を求めているからです。

野生では天敵であるフクロウやタカ、ヘビなどから身を守る必要がありますが、人家ではこれらの脅威から解放されます。また、屋根裏や壁の隙間は、雨風をしのげる上に温度変化も少なく、子育てに適した環境となっています。

特に冬場は、暖房により適度な温度が保たれる人家は、コウモリにとって理想的な越冬場所となります。

自然環境の変化でコウモリの「家侵入」は今後も増加傾向

近年、コウモリの家屋侵入が増加している背景には、自然環境の変化が大きく関わっています。

都市開発により森林や自然の生息地が減少し、行き場を失ったコウモリが人間の生活圏に進出せざるを得ない状況が生まれています。また、地球温暖化の影響で気温が上昇し、コウモリの活動期間が延長されたことも、被害増加の一因となっています。

都市部ではヒートアイランド現象により、冬でも比較的温暖な環境が維持され、コウモリが年中活動できる条件が整っています。

こんな家にはコウモリが入ってくる!侵入される家の特徴

「なぜうちにコウモリが?」という疑問を持つ方は多いですが、実はコウモリに侵入されやすい家には共通の特徴があります。

これらの特徴を知ることで、自分の家がコウモリにとって魅力的かどうかを判断し、適切な予防策を講じることができます。

長年の駆除経験から見えてきた、コウモリが好む家の条件を詳しく解説します。もし自宅が該当する項目が多い場合は、早めの対策を検討することをおすすめします。

築年数が古い家のリスクと要注意ポイント

築年数の古い家は、コウモリ侵入のリスクが格段に高くなります。

建築から20年以上経過した住宅では、経年劣化により様々な部分に隙間ができやすく、これらがコウモリの侵入経路となります。

さらに、断熱材の劣化により天井裏や壁内に空洞ができやすく、コウモリにとって理想的な巣作り場所となります。定期的な家屋点検を怠っている場合は、気づかないうちに多数の侵入口ができている可能性が高いため、築年数が古い家にお住まいの方は特に注意が必要です。

屋根裏・軒下・シャッター裏は特に危険

コウモリが最も好む場所として、屋根裏、軒下、シャッター裏の3箇所は特に要注意です。

屋根裏は暗くて静かで、外敵から守られた理想的な環境であり、温度も安定しているため、繁殖や子育てに最適な場所となります。特に断熱材が敷かれた屋根裏は、冬でも暖かく、コウモリの越冬場所として選ばれやすいです。

軒下も同様に雨風をしのげる場所で、破風板と屋根の隙間や、軒天の換気口周辺は侵入されやすいポイントです。

これらの場所は人間の目につきにくく、コウモリが安心して生活できる環境が整っているため、定期的な点検が欠かせません。一度棲みつかれると、繁殖により個体数が急増する可能性があるため、早期発見が重要となります。

光に集まる虫 → コウモリを呼び寄せる連鎖

家の照明が間接的にコウモリを呼び寄せる原因となっていることをご存知でしょうか。

夜間、家の外灯や窓から漏れる光には多くの昆虫が集まり、これがコウモリの格好の餌場となります。特に白色や青白色のLED照明は昆虫を引き寄せやすく、玄関灯や庭園灯、防犯灯などが虫を集める原因となっています。

虫が集まる場所にはコウモリも集まるという連鎖反応が起き、毎晩同じ場所で餌を確保できることを学習したコウモリは、その家の周辺に定着します。

コウモリの来やすい家の立地条件・周辺環境とは?

コウモリが集まりやすい家には、立地条件や周辺環境にも特徴があります。

まず、河川や池、水田などの水辺に近い立地は、蚊やユスリカなどの水生昆虫が多く発生するため、コウモリの餌場として最適です。公園や緑地に隣接した住宅も、豊富な昆虫が生息しているため、コウモリが集まりやすい環境といえます。

また、街灯が少ない静かな住宅街では、家の照明に昆虫が集中しやすく、結果的にコウモリも寄り付きやすくなります。

山や森林に近い立地では、自然環境が失われるにつれて、行き場を失ったコウモリが人家に移動してくることがあります。都市部でも、古い商店街や飲食店が多い地域では、生ゴミに集まる昆虫を狙ってコウモリが集まる傾向があります。

自分でコウモリ駆除を行うのは限界がある?法律による制限などを解説

コウモリ被害に悩まされている方の中には、「自分で何とかしたい」と考える方も多いでしょう。

しかし、コウモリの駆除には法律的な制約があり、素人が行うには多くのリスクが伴います。

知識不足による誤った対処は、法律違反となるだけでなく、健康被害や建物への二次被害を引き起こす可能性もあります。

ここでは、自分でコウモリ駆除を行う際の法的制限と実際の難しさについて、専門家の視点から詳しく解説します。正しい知識を持つことで、適切な判断ができるようになるはずです。

鳥獣保護管理法とは?違反時の罰則内容

コウモリは鳥獣保護管理法によって保護されている野生動物であることを、まず理解しておく必要があります。

この法律は、野生鳥獣の保護と狩猟の適正化を図ることを目的としており、許可なくコウモリを捕獲したり、殺傷したりすることを禁止しています。

コウモリを傷つけずに追い出すことは可能ですが、捕獲や殺傷を伴う方法は一切認められていません。また、巣を破壊する行為も法律に抵触する可能性があるため、慎重な対応が求められます。適法に駆除を行うには、各都道府県知事の許可を得る必要がありますが、個人での申請は通常認められず、専門業者による申請が一般的です。

子育て中の駆除は法律上のトラブルに発展するリスクあり

コウモリの子育て期間中の駆除は、特に慎重に行わなければならない時期です。

7〜9月の繁殖期には、巣に飛べない赤ちゃんコウモリがいる可能性が高く、この時期に親コウモリだけを追い出すと、赤ちゃんが取り残されて死んでしまいます。これは動物愛護の観点から問題となるだけでなく、鳥獣保護管理法違反として処罰される可能性もあります。

実際に、子育て中と知らずに駆除を行い、赤ちゃんコウモリが死んでしまったケースで、近隣住民からの通報により問題となった事例も存在します。

野生動物ならではの駆除難易度と専門知識の必要性

コウモリ駆除が困難な理由は、法律だけでなく、野生動物特有の習性と行動パターンにもあります。

コウモリは超音波を使って暗闇でも自在に飛行でき、人間には予測困難な動きをするため、追い出し作業は想像以上に困難です。また、一度追い出しても強い帰巣本能により同じ場所に戻ってくる習性があり、完全な駆除には侵入経路の特定と封鎖が不可欠です。

しかし、コウモリは1〜2cmの隙間でも侵入可能なため、全ての侵入口を見つけて塞ぐには専門的な知識と経験が必要となります。

ペットや子どもがいる家庭ほど「自己対応」のリスクが大きい理由

ペットや小さな子どもがいる家庭では、自分でコウモリ駆除を行うリスクがさらに高まります。

市販の忌避剤や殺虫剤の中には、ペットや子どもに有害な成分を含むものがあり、使用方法を誤ると健康被害を引き起こす可能性があります。特に忌避スプレーや燻煙剤は強い刺激臭を放つため、敏感な子どもやペットには呼吸器系の症状を引き起こすことがあります。

また、コウモリから落ちたダニやノミは、ペットに寄生しやすく、そこから人間にも被害が広がる恐れがあります。

コウモリを家から完全に駆除するには「プロ」に依頼するべき

コウモリ駆除を確実に成功させたいなら、プロの業者に依頼することが最善の選択です。

自分で対処しようとして失敗し、被害が拡大してから業者に依頼するケースも多く見られますが、最初からプロに任せることで時間と費用の無駄を省くことができます。

専門業者は豊富な経験と専門知識、適切な道具を持っており、法律に則った安全で効果的な駆除を行います。

ここでは、プロに依頼するメリットや作業内容、業者選びのポイントについて詳しく解説します。適切な業者を選ぶことで、コウモリ被害を根本から解決できるでしょう。

プロに依頼するメリットとは?（調査・追い出し・封鎖・消毒）

プロの駆除業者に依頼する最大のメリットは、総合的かつ確実な対策を受けられることです。

まず、専門的な調査により、素人では見つけられない侵入経路や巣の場所を特定し、被害の全容を正確に把握できます。追い出し作業では、コウモリの生態を熟知したプロが、適切な時期と方法で、法律に違反することなく安全に作業を進めます。

このような総合的なサービスは、素人では到底真似できない専門業者ならではの強みといえるでしょう。

プロの作業内容とDIYとの違い

プロの駆除作業とDIYでは、その精度と効果に大きな違いがあります。

調査段階では、プロは内視鏡カメラなどの専門機器を使用して、屋根裏の奥や壁の内部まで徹底的に調査し、素人では発見できない侵入経路も見逃しません。追い出し作業では、業務用の強力な忌避剤や超音波装置を使用し、建物の構造に応じた最適な方法を選択します。

侵入口の封鎖においても、プロは耐久性の高い専門資材を使用し、見た目にも配慮した施工を行います。

さらに、プロは作業後の効果測定も行い、確実に駆除が完了したことを確認してから作業を終了します。これらの専門的な作業は、DIYとは比較にならないレベルの確実性と安全性を提供してくれるのです。

業者選びのチェックポイント【見積・実績・資格】

信頼できる駆除業者を選ぶためには、いくつかの重要なチェックポイントがあります。

さらに、電話や現地調査時の対応が丁寧で、質問に対して誠実に答えてくれる業者は信頼度が高いといえるでしょう。

駆除費用の相場と、費用を抑えるためのコツ

コウモリ駆除の費用相場は、被害の程度や建物の構造により大きく異なりますが、一般的に2万円〜30万円程度となっています。

基本的な追い出し作業のみなら2〜5万円程度ですが、侵入口の封鎖や清掃・消毒を含む総合的な対策では10〜30万円かかることもあります。費用は作業箇所の数や高さ、侵入口の数、糞害の程度などにより変動し、屋根裏全体に被害が及んでいる場合は高額になりやすいです。

ただし、安さだけを追求すると作業品質が低下する可能性もあるため、費用対効果を重視した業者選びが大切です。

コウモリが家に入ってきた時に関するよくある質問（FAQ）

コウモリが家に入ってきた際、多くの方が同じような疑問や不安を抱えています。

ここでは、実際にお客様から多く寄せられる質問について、専門家の視点から分かりやすくお答えします。

まとめ

コウモリが家に入ってきた場合、早急かつ適切な対処が必要です。

わずか1匹でも放置すれば、繁殖により被害が拡大し、糞尿による健康被害や建物の劣化につながります。

自分で対処する際は、法律を守りながら安全に追い出すことが大切ですが、完全な駆除には限界があることも理解しておきましょう。

特に繁殖期や冬眠期の対処、高所作業、侵入口の特定と封鎖は、専門知識と技術が必要不可欠です。

プロの駆除業者なら、調査から追い出し、封鎖、清掃・消毒まで総合的に対応し、再発防止策も万全です。